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戦略人事のビジョン~制度で縛るな、ストーリーを語れ

 

戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ (光文社新書)

戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ (光文社新書)

 
  • 総合お勧め度:★★★★☆
  • 実務向き:★★☆☆☆
  • 読んだ後の納得感:★★★★☆

  • 読書の対象者
     人事部門やリーダーシップに関心のある人

  • 本書の主張
    企業の人事部によりよい役割を果たしてほしい。よい役割を果たすために、
    人事部門やマネジメントは
    継続性のマネジメント(今までこうだったからわが社ではこうする物)
     ↓
    戦略性のマネジメント(本当に会社が良くなるには現在の在り方は正しいのかを問い続ける)
    が重要ではないか。

  • お勧め理由
    人事部門の重要性についてだけでなく企業で働く社員が自分の会社を
    もっと素敵にするためにはといったエッセンスがちりばめられている。

  • 著者紹介
    創業130年、グループ従業員30万人の「世界で最も尊敬される企業」「最強企業」
    と称されるGEのDNAを受け継いだ八木さん唯一の著書である。本書では、GEに
    おける八木さん自らの経験によって確立された考えを人事の実務者の視点から
    分かりやすいことばで説明されているとともに、日本企業のこれからの人事の
    あり方や人材育成の方向性に多くの示唆を与える内容となっている。

     

  • 内容の参考
  1. 人事は何のためにあるのか
    ・目的を持った制度を作るべき。
     社員にどんな働き方をしてもらい、会社をどうしようとしているのかが
     考えられているかを理解する。
     →職能資格制度は人事の欺瞞
     →年功序列は日本人の罪
     →通勤手当は距離に比例して多くもらうのは本当に正しいのか。
    ・社員のやる気を最大化し、生産性をあげる。
     会社の戦略をこうやって勝つというふうに話の筋が通っていてふつうの人が
     聞いて納得できるストーリーなっていること。困っている人の話に耳を傾け、
     何らかの言葉を放つことで崖っぷちから救い出すことができる、「言葉の魔術
     師」であること。

  2. 組織の力を最大限に高める
    ・まずは組織の勝ちを定義し、進むべき方向を決める。
     →GEの勝ちはグロース(成長)とリターン(利益)
    ・戦略をシンプルに話の筋が通っていなければいけない。
     →社員が強みや戦略を「そうだよな」と腑に落ちる内容でなければ
      とるべき行動が正しいかを判断することができない。
    ・グローバル人財の育て方
     →GEではGEのことを好きになり、GEが会社として何をしようとしているのか
      が見えてくれば、各国のGEに足りない部分が見えてきてGEがGEらしくなる
      ために何をどう変えていけばいいのかがわかる。

  3. 改革の旗を振る
    ・賛成する人を増やすより、反対する人を減らす。
     →変革を急激に推し進める際には、反対者を多く生み出す。
      じわじわと、反対者が多く出ないように気をつけながら進めるべき。
    ・やる気のない社員をやめさせる
     →日本の企業ではやる気のない社員を簡単にクビにできない。
      一生懸命頑張っている社員の一方で、やる気のない社員がいる状況は
      許されない。そんなことを許す人事担当者がいたとしたら、
      その人事担当者こそ必要ない。
      訴訟を起こされたら人事部門長が責任をもって引き受ける。

  4. リーダーを育てる
    ・リーダーは希少な存在で突然変異的に出現する。
     コントロールできないが、出現する確率はあげることができる。
     だから育てる。
    戦略人事における最大の課題はマネージャーやリーダーの育成。
     この仕事には会社の命運がかかっている。
    リーダーの定義

     ビジョンを描き、コミュニケーションによって人々を巻き込み、
     その人たち(フォロワー)とともに、ビジョンの達成にむけて
     様々なことを実行できる人。

     「リーダーが責任をもって、進むべき道を指し示すには、
      例え自信がなくとも後ろに下がらないという姿勢が大事」
     →リーダーとして選ばれている人は優秀なのだから、謙虚さは必要ない。
      胸を張って腹の底から声を出し、ふつうの人が理解できる言葉で
      話す。 

    ・刺激を与え、持続させる。
     →リーダー育成プログラムを受講させフォローアップを徹底する。
      リーダーシップとは何か、何が必要なのか、といった質問を
      次々に繰り出し、受講者をあえて悩ませることで刺激を与える。

  5. 強くてよい会社を人事が作る
    ・「俺の会社」と言い切れるような強いこだわりを持つ
  •  まとめ
    すべてについてこの場では紹介しきれないほど、八木さんは実務を通して、
    多くの施策を推進している。そのどれもが勝ちにこだわり強い会社であるため、
    戦略的なマネジメントを進めるためという軸に沿って行われている。
    さらに、人事と社員であるという以前に人対人の対話として向き合っている
    出来事が多いように感じた。本書で使われている言葉にも八木さん語録が
    ふんだんに盛り込まれていて、まさに言葉の魔術師であると感じた。また、
    本書の主とするところではないが、紹介されているジャック・ウェルチ
    リーダーに求められる4つのEというキーワードが気になったので書き留めて
    おく。リーダーでなくてもチームで活動する際に意識したいと考える。

     Energy:自らが活力に溢れていること

     Energize:目標に向かう周りの人を元気づけること

     Edge:タフな問題に対しても決断できること

     Execute:言ったことをとことんまで実行していくこと